失敗しないオリジナルグッズ製作のデータ作成方法のコツ
オリジナルグッズ製作の印刷用データを作る時に、デザイン側で少し気をつけるだけでグッズの仕上がりが変わることもあります。
紙の印刷物は慣れているけれど、グッズ製作のデータ作成には慣れていないデザイナーさん向けの記事です。
この記事の目次
プリントする素材の特性を考える
製作するグッズの素材がツルツルとした表面なのか、織り目の凹凸がある素材なのかによりデザインを考える必要もあります。
ツルツルとした表面ならば作業をしているPCの画面上に近い印刷結果が得られやすいですが、繊維の場合だと表面の凹凸で細かい文字などが見にくくなってしまう可能性もあります。
イメージとしては、前者は写真用紙にプリントアウトする場合、後者はコピー用紙にプリントアウトする場合を想像するとわかりやすいかと思います。
個体差がわかりにくいデザインにする
製造を行う時に個体差が多かれ少なかれ出てしまうのは避けることが難しい状況です。
工場によって差はありますが、全てが全くずれないということはないと思っていた方が良いです。
ここでデザイナーができることは、「個体差がわかりにくいデザイン」を初めから考えることです。
位置がずれることを前提としたデザインにする
プリントをする時に少しでも位置がずれてしまうと個体差が目立ちやすくなるデザインを避けることがひとつの方法です。
以下のようなデザインは上下左右に少しでもズレてしまった時に、そのズレが目立ってしまう例になります。
微妙な色使いを避ける
プリント方法によっては、トーンが近い同系色の微妙な色使いやグラデーションが思った通りに出ない場合があります。
校正用サンプルで確認することはもちろんですが、デザイン制作時に避けることができるならば避けた方が無難でしょう。
小さい文字や細い線を避ける
特に手作業でプリントを行う場合に注意が必要なのが、文字サイズや線の細さです。
プリントを行うときの僅かな力加減でプリント結果が微妙に変わってしまうことがありますが、人の手で作業を行う上で避けられません。
この差は細かい文字や細い線だと目立ちやすくなってしまいますので、デザイン制作時にこのようなリスクを考えることも大切です。
手作業のプリントの他に、目視ではわからないくらいの素材の厚みの差などでも起きてしまうことがあります。
入稿前のデータの見直し
予期しない製造エラーが発生しないように、デザイナー側で気をつけることができます。
データを入稿する前に以下のような最終確認をしておくと、作業者のミスを減らすことができます。
- 入稿テンプレートの指定されたレイヤーにデザイン要素を全て配置してあるか
- 不要なオブジェクトが残っていないか(アートボードの外も含めて)
- ロックされたオブジェクトがないか
- 非表示になっているオブジェクトが残ってないか
- 印刷データから極端にはみ出た画像やオブジェクトがないか(クリッピングマスクなどで処理しているか)
- プレビューファイル(仕上がりのjpg画像)を添付する
データが大丈夫か不安な時は・・・
製造委託先に一度データを見てもらうのもひとつの方法です。
過去の製造事例の経験やノウハウがありますので、ある程度の予想ができます。
実際に校正用サンプルを製作してみないとわからない部分も少なくないですが、データ作成段階で未然に防げるものは防ぐ方が賢明です。